スタッフとの関係性に悩む院長へ。
フィードバックに必要なのは「感覚」より「構造」です。
これまで多くのクリニック経営者とお話ししてきましたが、
「スタッフとの関係性の築き方」や「フィードバックの伝え方」に悩まれている先生はとても多いと感じています。
もちろん、どのように接するかは院の雰囲気や組織風土にもよるでしょう。
ですが、評価となると話は別です。
評価は、給与や待遇、ひいてはキャリアに直結するセンシティブな領域です。
「気持ち」だけではうまくいかず、「構造化された視点」が求められます。
「半年に一度の個人面談」が持つ力
まず前提として、半年に1回は個人面談を設けることを強くおすすめします。
「そんな時間はない」と感じる方も多いと思いますが、
たとえ30分でも診療時間を削ってでも実施する価値があります。
というのも、面談はスタッフにとって「自分のことを見てくれている」という安心感を得られる時間であり、
中長期的には離職率の低下や主体性の向上にも繋がるからです。
「感覚」だけの評価がスタッフを遠ざける理由
ただし、面談の場があっても、
「なんとなく最近頑張ってるから評価アップ」
「うーん、ちょっと態度悪いし今回は下げるか」
といった “感覚頼り”の評価では、スタッフの納得は得られません。
評価やフィードバックにおいて最も重要なのは、
再現性のあるロジックと納得性のある数値です。
定性的⇔定量的。両輪での評価が信頼を生む
評価には2つの視点があります。
- 定性的評価(例:接遇の丁寧さ、態度、協調性など)
- 定量的評価(例:処置件数、予約率、リコール率、行動目標の達成数など)
日本の職場文化では、つい“がんばり”や“態度”といった定性的な側面に偏りがちです。
しかし、定性的な評価だけでは、どこか主観的・曖昧になりやすく、
スタッフとの認識にズレが生じやすくなります。
一方で、数字をもとにした定量的な視点を組み合わせることで、
「なぜその評価なのか」
「次は何を頑張ればよいのか」
が明確になり、スタッフ自身の成長意欲にもつながっていきます。
「プロセス目標」で、努力を可視化する
さらに重要なのが、行動ベースの評価設計です。
多くのクリニックでは「目標を達成したか否か」で評価しているケースが多いですが、
それだけでは努力やプロセスが見えづらくなってしまいます。
たとえば、目標達成までの**アクション項目(プロセス)**を分解し、
「〇個の行動のうち、何個実行できたか」と数値で評価することで、
次に活かせる改善点が明確になります。
これは、**OKR(Objectives and Key Results)**という目標管理の考え方にも通じています。
成果だけでなく、成果に至る行動を評価対象にすることで、スタッフの挑戦や努力を肯定する文化が育ちます。
フィードバックは「正解を与える場」ではない
最後に一つお伝えしたいのは、
フィードバックは“正解を与える”場ではないということです。
むしろ、スタッフと一緒に振り返りながら、
「次、何を意識する?」
「どんな行動を増やしていこうか?」
と、自発的な気づきと学びを引き出す時間にすることが本質です。
ロジカルに構造化されたフィードバックは、スタッフに安心感と成長意欲をもたらします。
